2024.10.15
勉強会
ジェロントロジーのアプローチを通じた地方創生③
6.人生100年時代の都市型農業
地方創生を行ううえで、産業教育、人口、交通など、すべての分野で「ジェロントロジー」の考え方やアプローチが大事です。
これまでの日本は、終身雇用社会でしたから、学校を卒業すると「就社」して、家族や社会を支えるために現役世代が、せっせと働いて来ました。
しかし諸外国では、社会に出て何かやりたいことがあったら、また大学に戻って勉強して知識を蓄積し、ステップアップを図る。自分の人生を充実させつつ、美しく年を重ねています。諸外国の人たちは、そういう楽しい人生を歩んでいるのです。
日本も時代が変わり、昔ほどの終身雇用社会でもなくなり、私たちも生き方や考え方を変えて、100歳まで充実した毎日を生きることが大切だと思います。その事例を、いくつかご紹介します。
これまでの日本は、終身雇用社会でしたから、学校を卒業すると「就社」して、家族や社会を支えるために現役世代が、せっせと働いて来ました。
しかし諸外国では、社会に出て何かやりたいことがあったら、また大学に戻って勉強して知識を蓄積し、ステップアップを図る。自分の人生を充実させつつ、美しく年を重ねています。諸外国の人たちは、そういう楽しい人生を歩んでいるのです。
日本も時代が変わり、昔ほどの終身雇用社会でもなくなり、私たちも生き方や考え方を変えて、100歳まで充実した毎日を生きることが大切だと思います。その事例を、いくつかご紹介します。
6-1.首都圏から通いでリンゴ栽培「浜っ子中宿農園」
場所は、長野県北部の飯綱町(いいづなまち)。
長野市の少し北に位置するこの町の丘陵地にユニークなリンゴ農園があります。
横浜や東京のシニア世代が通いで農作業をしておられるのです。代表の小泉正夫さんは横浜の方で「援農ツアー」に参加したことがきっかけで、地元と交流するようになりました。空き家を借りて、農作業の手伝いや地域の仕事をしながら田舎暮らしも経験されました。
そうこうするうちに、跡継ぎを探しているリンゴ園があることを知ったそうです。後継者が見つからないと木々が伐採されると聞き、地元の人の力を借りながら通いで作業ができるならと、テニス仲間約20人に声をかけ、リンゴ作りに着手し始めたのです。
やがて会員制農園にして、いろんな出会いを生かしながら、果樹園の仕事に精を出し、収穫の喜びを分かち合うまでになっています。皆さん60~70代の方々です。
リンゴジュースやジャムなど加工品も製造して、収入も確保。
連れてきたお孫さんが、その姿や生き方に感動して「じいじ、カッコいい!」。
孫のほめことばは、高齢者の元気の源ですが、おじいちゃんたちが「カッコいいこと」をしていると、子供や孫も感化されて「私もやりたい」となるようで、お子さん、お孫さんが農園の仕事を手伝うまでになりました。今では、農園を引き継ごうという話にまでなっています。
そのうえ今では、シニア体験ツアーやソーラーシェアリング見学に、シンガポールなど海外からも参加があるほど注目度がアップしています。まさに、前述の逆ピラミッドにつながる好例です。こういう取り組みが地方を変えていく、地方創生につながると思います。
ちなみに、我が国の食料自給率は4割を切っていますが、シンガポールは現在10%。
2030年までに、これを30%までに高めようと、シンガポールは今までオランダ型の農業を採用していましたが、今後はできるだけ日本型の先行的なモデルを参考にして〝シンガポールモデル〟を確立したいとのことです。
長野市の少し北に位置するこの町の丘陵地にユニークなリンゴ農園があります。
横浜や東京のシニア世代が通いで農作業をしておられるのです。代表の小泉正夫さんは横浜の方で「援農ツアー」に参加したことがきっかけで、地元と交流するようになりました。空き家を借りて、農作業の手伝いや地域の仕事をしながら田舎暮らしも経験されました。
そうこうするうちに、跡継ぎを探しているリンゴ園があることを知ったそうです。後継者が見つからないと木々が伐採されると聞き、地元の人の力を借りながら通いで作業ができるならと、テニス仲間約20人に声をかけ、リンゴ作りに着手し始めたのです。
やがて会員制農園にして、いろんな出会いを生かしながら、果樹園の仕事に精を出し、収穫の喜びを分かち合うまでになっています。皆さん60~70代の方々です。
リンゴジュースやジャムなど加工品も製造して、収入も確保。
連れてきたお孫さんが、その姿や生き方に感動して「じいじ、カッコいい!」。
孫のほめことばは、高齢者の元気の源ですが、おじいちゃんたちが「カッコいいこと」をしていると、子供や孫も感化されて「私もやりたい」となるようで、お子さん、お孫さんが農園の仕事を手伝うまでになりました。今では、農園を引き継ごうという話にまでなっています。
そのうえ今では、シニア体験ツアーやソーラーシェアリング見学に、シンガポールなど海外からも参加があるほど注目度がアップしています。まさに、前述の逆ピラミッドにつながる好例です。こういう取り組みが地方を変えていく、地方創生につながると思います。
ちなみに、我が国の食料自給率は4割を切っていますが、シンガポールは現在10%。
2030年までに、これを30%までに高めようと、シンガポールは今までオランダ型の農業を採用していましたが、今後はできるだけ日本型の先行的なモデルを参考にして〝シンガポールモデル〟を確立したいとのことです。
6-2.ソーラーシェアリング「市民エネルギーちば株式会社」
これは今日のテーマにピッタリの先行事例です。
千葉県の匝瑳(そうさ)市では、農作物の栽培と太陽光発電を一緒に行う営農型太陽光発電を展開して収益を上げておられます。
このソーラーシェアリングの会社「市民エネルギーちば株式会社」は、2011年の東日本大震災の原発事故を見てエネルギーの在り方を模索していた9人が10万円ずつ出し合い、2014年に資本金90万円で設立しました。FIT(固定価格買取制度)価格の高いうちに参入されたので、事業としてうまく回っております。
千葉県の匝瑳(そうさ)市では、農作物の栽培と太陽光発電を一緒に行う営農型太陽光発電を展開して収益を上げておられます。
このソーラーシェアリングの会社「市民エネルギーちば株式会社」は、2011年の東日本大震災の原発事故を見てエネルギーの在り方を模索していた9人が10万円ずつ出し合い、2014年に資本金90万円で設立しました。FIT(固定価格買取制度)価格の高いうちに参入されたので、事業としてうまく回っております。

耕作放棄地を生かしてソーラーシェアリングし、パネルの下の畑で大豆や麦などを栽培されている。収穫した麦で作ったクラフトビールも販売し始めたようです。
社長の東光弘さんは、後継者作りにも熱心で、アカデミーを作って、次の世代につないでいこうと取り組んでおられます。
社長の東光弘さんは、後継者作りにも熱心で、アカデミーを作って、次の世代につないでいこうと取り組んでおられます。
6-3.会員制観光農園「さがみこファーム株式会社」
さがみこファーム株式会社は、神奈川県相模原市の西部の山村にあり、ソーラーシェアリングと会員制観光農園のブルーベーリーガーデンを経営されています。社長の山川勇一郎さんは、先ほどの東社長のお弟子さんです。

通常、売電事業収入が主な収益源になるのですが、こちらは観光農園の人気が高く、農業収入が3分の2以上あるのが特徴です。
また、地元の自治会と、災害時に電源が供給できる協定を結んでいるのも特筆すべき事項です。
自治会の会員が災害時に利用できるように、自治会でポータブルの蓄電池を保持してもらい、年1回の防災訓練のときに役員や地域防災員が持ってきて充電。訓練に組み入れての実施ですので、非常時のリハーサルにもなります。
発電を単に事業としてだけでなく、地域と連携して防災に役立てることは、他の地域でも生かせる取り組みだと思います。
弊所は、このように事業を営もうとしている方々と一緒になって〝都市型農業〟を成功させたいと考えています。プロの農家だけではなく、多くのシニア層に〝支える側〟に回っていただき、地域活性化に生かしてもらいたいです。
また、地元の自治会と、災害時に電源が供給できる協定を結んでいるのも特筆すべき事項です。
自治会の会員が災害時に利用できるように、自治会でポータブルの蓄電池を保持してもらい、年1回の防災訓練のときに役員や地域防災員が持ってきて充電。訓練に組み入れての実施ですので、非常時のリハーサルにもなります。
発電を単に事業としてだけでなく、地域と連携して防災に役立てることは、他の地域でも生かせる取り組みだと思います。
弊所は、このように事業を営もうとしている方々と一緒になって〝都市型農業〟を成功させたいと考えています。プロの農家だけではなく、多くのシニア層に〝支える側〟に回っていただき、地域活性化に生かしてもらいたいです。